国際的な出版文化の交流の場である「国際マガジン・シンポジウム」において、そのメインビジュアルを手がける機会をいただきました。このシンポジウムは、雑誌というメディアが持つ多様な表現や可能性を国際的な視点で共有し、編集者やデザイナー、アーティストが互いに刺激を与え合う場として位置づけられています。そこで私は、シンポジウムに参加するいくつかの雑誌を擬人化し、それぞれの個性や特徴を人の姿として描き出すイラストレーションシリーズを制作しました。完成したビジュアルは、シンポジウムのメインポスターや広報媒体として活用されるとともに、当日のプログラムや講演内容を収録したブックレットにも展開され、会場を訪れた参加者に直接手渡される形で届けられました。視覚的なアイコンとしてだけでなく、記録物として長く手元に残るデザインとして機能することで、シンポジウムの記憶や体験をより鮮やかに支える役割を果たしました。雑誌という多様で複雑な存在を擬人化することで、参加者や来場者があらためて雑誌文化の奥行きや魅力に気づき、より身近に感じられるきっかけとなることを目指しました。