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Junichiro Tanizaki
THE KEY
Artwork
この装画では、谷崎文学に通底する「抑制と解放」「秘められた欲望と美の追求」を、限られた平面の中でどう表せるかを探りました。重視したのは、「繊細さと大胆さ」という相反する二面性をあわせ持つ郁子を、「シンプルに、しかし美しく」描くことです。 装飾や説明を排し、線とフォルムに集中することで、裸体の自然な曲線や柔らかさを際立たせました。 簡潔で静謐な表現の中にこそ、より深い余韻と想像力が生まれると考えています。同時に、『鍵』という作品がもつエロティックな空気を損なわないよう、線の揺らぎや余の取り方にも注意を払いました。 直接的ではなく、見る人の想像を誘う造形を通して、緊張感とエロティシズムを表現しています。谷崎文学の世界観を映し出すとともに、国境を超えて伝わる美と官能を目指しました。 表紙を手にした瞬間、読者が物語の秘密めいた魅力を感じ取れるような装画でありたいと考えています。


Client : Penguin Random House
Art direction & Design : Suzanne Dean
Artwork : mio.matsumoto
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